令嬢と不良 ~天然お嬢様の危険な恋~
「ダメです」


近藤絵理の奴、今度はそんな事を言いやがった。偉そうに、何様だよ?


「はあ? 何が?」


いけねえ。した手に出るはずが、つい地が出ちまった。


「あなたが栞に近付く事です」


はっきり言いやがった。そういう意味だって事はわかってたが。


「とにかく座ろうよ? 店員さんが困ってるからさ」


そう言って弘司が近藤絵理を落ち着かせようとしたが、


「あたし達、帰りますから」


と来た。すかさず弘司は、


「絵理ちゃん、そう言わずに、ちょっとだけ……」


と言ったが、近藤絵理は聞く耳を持たないって感じで、吉田栞を連れて帰る構えだ。

今日のところはこれでジ・エンドだな、と諦めかけたのだが……

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