令嬢と不良 ~天然お嬢様の危険な恋~
由紀は2つ下の妹で高校の3年生。大学へは行かず、既に大手電気店への就職が内定している。本人は『あたし勉強は好きじゃないから』と言っていたが、それは本心なのだろうか。由紀の事だから、家の事情を考えて強がりを言ってるだけじゃないだろうか……


家は母親と俺と由紀の3人でアパート暮らし。父親は俺が中学の時に死んじまった。以来、母親は小さな出版社で働くようになり、残業で帰りが遅くなりがちだった。だから家事の殆どは俺と由紀がやり、特に最近の由紀は、すっかり主婦と化している。彼氏もいないんではなかろうか。


とそこへ、合コンの相手らしい若い女どもがやって来た。他の連中は慌てて立ち上がったが、バカ臭くて俺はそんな事はしない。女どもを見る気にもならなかったが、華やいだ空気と甘ったるい匂いは感じた。だからどうって事ではないのだが。

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