令嬢と不良 ~天然お嬢様の危険な恋~
私はてっきり、悠馬さんもこの計画にすぐに賛成してくれると思ったのだけど、悠馬さんは腕を組み、「うーん」とか言いながら考え込んでしまった。


「悠馬さん?」

「うーん……」

「賛成してくれないんですか?」

「え? いや、ん…………あ、そうか」


悠馬さんは、突然何かを思い付いたみたいだ。


「それは無理だな」

「無理、ですか? どうしてですか?」

「だって、見れば解るだろ? ココは小さな店だし大して繁盛してない。おそらく俺や杏里さんの給料を払うのもやっとで、人を増やす余裕なんてあるはずない。あ、杏里さんって、昼間来てる専従の店員さんな?」

「あ、はい……」


言われてみれば確かにそうだわ。私って、なんて世間知らずなんだろう。今更ながらイヤになっちゃう……

自分が情けなくて、泣きたくなってしまった。

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