令嬢と不良 ~天然お嬢様の危険な恋~
御曹司の策略 栞Side
私が悠馬さんと一緒にバイトするようになってから10日ほどが過ぎた。

当初は“毎日がデート”なんて甘い考えの私だったけど、働くって大変だなあと、始めるとすぐに実感した。

お仕事をする上で、覚えないといけない事が山ほどあるし、ずっと立ちっぱなしだから、終わって帰る頃には脚が痛くて痛くて……


それでも近頃はだいぶお仕事がわかって来たと思うし、体も慣れて来たみたい。そして何より、やはり悠馬さんと一緒にいられる事が嬉しい。一緒に働く事で、彼がとても頼もしくて優しい人だという事を再確認出来た。


「あんた、最近変わったね?」

「え、そう? どんな風に?」

「前に比べると話し方がハキハキして滑舌がいいし、モジモジしなくなったよね?」

「そうかなあ」

「やっぱりバイトで接客してるからだろうね?」


もちろん絵理にはバイトの事を話している。悠馬さんと同じお店という事も。


「ところでさ……」

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