令嬢と不良 ~天然お嬢様の危険な恋~
絵理と一緒に校舎を出て、黄色く色付いた銀杏の葉がヒラヒラと舞う、キャンパス内の歩道を歩いていた。
「彼氏には今夜の事は内緒ね?」
不意に絵理が言い、私は「彼氏って?」と聞き返した。彼氏と呼ぶような人は、絵理にも私にもいないはずだから。
「いやだなあ、俊樹(としき)さんに決まってるでしょ?」
「俊樹さん? 彼はそんなんじゃないよ。ただの幼なじみだって、前も言ったでしょ?」
早川俊樹さんは私のひとつ上で、違う大学に通う2年生。子どもの頃にパーティで知り合い、お互いの家が近い事もあって仲良くさせてもらっている。
頭が良くて物静かで優しくて、兄弟のいない私にとってはお兄さんのような存在だ。
「でもさ、どう見ても栞の彼氏だと思うけどなあ」
絵理にはちゃんと説明してるのだけど、いまいち私の話を信じてくれていないみたい。
「今日あたりも例のかっこ好いベンツで……って、ほら、噂をすればよ?」
「彼氏には今夜の事は内緒ね?」
不意に絵理が言い、私は「彼氏って?」と聞き返した。彼氏と呼ぶような人は、絵理にも私にもいないはずだから。
「いやだなあ、俊樹(としき)さんに決まってるでしょ?」
「俊樹さん? 彼はそんなんじゃないよ。ただの幼なじみだって、前も言ったでしょ?」
早川俊樹さんは私のひとつ上で、違う大学に通う2年生。子どもの頃にパーティで知り合い、お互いの家が近い事もあって仲良くさせてもらっている。
頭が良くて物静かで優しくて、兄弟のいない私にとってはお兄さんのような存在だ。
「でもさ、どう見ても栞の彼氏だと思うけどなあ」
絵理にはちゃんと説明してるのだけど、いまいち私の話を信じてくれていないみたい。
「今日あたりも例のかっこ好いベンツで……って、ほら、噂をすればよ?」