令嬢と不良 ~天然お嬢様の危険な恋~
「イヤです。放してください」


私はもちろん抵抗し、俊樹さんの手を振り解こうとした。でも、やはり男の子の力には叶わない。


「みっともないから騒ぐんじゃないよ。さっさと乗れ!」


俊樹さんにグイッと腕を引かれながら、私は助けを呼ぶしかないと思った。周りにはたくさんの学生がいる。女の子ばかりだけど、それでも何人かが来てくれれば、きっと何とかなるはず……


「誰か、た……」


と私が叫び掛けた時、私の横を大きな黒い影が突風のように横切った。


その黒い影は、革ジャンを着た男の人で、背は悠馬さんと同じくらい高く、横幅のあるガッシリとした体型の人で、私の腕を引く俊樹さんの腕をガシッて感じで掴んだ。


「な、何だよ、アンタは?」

「手を放せ」


革ジャンの人は、抑揚のない低い声でそう言った。

< 412 / 548 >

この作品をシェア

pagetop