令嬢と不良 ~天然お嬢様の危険な恋~
「ねえ悠馬さん、あれは本心だったの? 本当に私の事、好きになってくれたの?」


私は悠馬さんの顔に自分の顔を寄せ、囁くように聞いてみた。もちろん悠馬さんは答えてくれず、何の反応もなかった。


私は悠馬さんの、こけてしまった頬にそっと手を添え、彼のカサカサの唇に自分の唇を重ね、目を閉じた。かつてした、悠馬さんとの濃厚で甘いキスを思い出しながら……


悠馬さん。もうあんな風に、私にキスしてくれないの?



唇を離し、目を開いたら…………えっ?

悠馬さんの目も、開いていた!


「は、悠馬さん? 意識が戻ったの? 悠馬さん、私がわかる?」


呼びかけても、悠馬さんの反応はない。でも、虚ろではあるけど、目はしっかりと何かを見ている気がする。

私がオロオロしていたら、看護師さんが慌てた様子で病室に入って来た。


「あ、あの、悠馬さんが目を開けました!」

「やっぱりそう? 彼の脳波に変化があったから来てみたんだけど……。主治医を呼んでくるわね?」

「は、はい」

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