令嬢と不良 ~天然お嬢様の危険な恋~
「どうって……」


はあ……。松本さんの事、ママにどう話せばいいんだろう。


「まずは座りなさいよ。今、婆やにお茶をお願いするから」


う……、ママは私からじっくりと話を聞き出すつもりなんだわ。困ったなあ。


私はコートを脱ぎ、テーブルを挟んでママの向かいに座った。


「ところで栞、あなた顔が赤いけど、どうかしたの?」

ドキッ

「もしかして……」

ドキドキ

「お酒を飲んだの?」

ガクッ


「飲んでないよー。まだ未成年だもん」

「そう? じゃあ熱でもあるのかしら……」


そう言ってママは立ち上がり、手を伸ばして私のおでこに手の平を当てた。


「熱はなさそうね」

「外は寒かったから、きっとそれでだと思う」

「そう?」

「う、うん……」


婆やと違い、ママはごまかせない気がして、つい私はママから目を逸らしてしまった。

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