美容師男子×美麗女子







「っ、は」


あたしは飛び起きた。

枕元で携帯がうるさく鳴っている。


息を吐いて、アラームを止める。

ゆっくりと、心臓が正常機能していることを確認する。

ベッドから下りて、すぐに服を脱いだ。


汗で濡れてる。あたし、どんだけ意識してたんだろう。

きっと、昨日の夜、聞きたくないものを聞いてしまったからだ。


昨日はお姉ちゃんが帰っていた。もちろん、春樹くんも顔を見せていた。

あたしが寝るときに、あたしは聞いた。


お姉ちゃんの声と、ベッドの軋む音。


頭から離れない。

ずっとそのことしか考えられなくて、結局寝たのは夜中をまわった頃だった。


春樹くんと、お姉ちゃんが。

ううん、だって当たり前だ、二人は婚約者なんだから。

あたしがいちいち気にした所で、それは外部の妨げにしかならない。

そうは分かっている、けど。


嫌な感情しか芽生えてこなかった。


何故かお姉ちゃんを心で恨んでて、もともとあたしのものでもないのに、春樹くんをとられたってどこかで思ってる。

あたしが先に春樹くんと付き合ってたのに、って。



< 39 / 210 >

この作品をシェア

pagetop