美容師男子×美麗女子



家に近付くにつれて、あたしの進む速さはどんどん遅くなっていく。

だって、家に帰りたくないから。


虐待なんて、されてない。うちの両親は優しい。

家に誰もいなくて、寂しいわけじゃない。母は専業主婦だから、毎日家にいる。


でも、絶対に家には帰りたくないんだ。



ゆっくりとマンションの階段をのぼる。

階段は嫌いだけど、家に続く階段なら、もっともっと長くてもいいと思う。


あたしの名字が入った表札が飾ってある部屋の扉をゆっくりと開けた。

きっと寝ているであろう、家族を起こさないように。


すぐに玄関の靴を見た。


お父さんの、お母さんの、お姉ちゃんの、あたしの、・・・・・


あぁ、よかった。


あたしはすぐに靴を脱いで、家の中に入った。


明日は学校があるんだ。早く寝ないと。


あたしは自分の部屋に入って、ベッドに潜って寝た。





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