初恋草



武道場から出てきたところで、あたしはある人に呼び止められた。





「…なぁ。」



何なの…?

早く着替えたいのに…




「何?

…あ、斎藤…」



そう、斎藤に呼び止められた。



「…ちょっといい?」


「うん。
…ごめん、早希。
先に行っててくれる?」



事の始終を見て、ポカンとしていた早希はあたしの言葉で我に返った。
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