青のキセキ
普段は、とても優しくて大切にしてくれるのに、少しでも気に入らない事があると殴る蹴るは当り前。

髪の毛を引っ張られたり、ひどい時は真冬にシャワーの水を頭からかけられたり、タバコの火を押し付けられたり。


暴力を振るわれ、傷ついた私を見ると、彼は必死で謝ってきた。

そして、その後は決まって優しく私を抱いた。


まるで、自分の行動を悔いてるかのように...。




また暴力を振るわれるかもしれない恐怖から、私は抵抗する事も出来ずに彼の行為を受け入れざるを得なかった。



初めての彼だったし、恋愛に対して免疫のなかった私は、彼の暴力さえも彼の愛情の裏返しなのだと、誰にも言えず、ただ黙って耐えてた。


医師としての彼を尊敬していたのも、私をそうさせた理由の1つかもしれない。


当時、久香も彼の浮気で悩んでたから、余計言えなくて。

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