青のキセキ
それ以来、お互いの相談に乗り合って、時には翔さんも参加しての相談会、もとい雑談会をするのが楽しくて。





そんな日々が続いて.......。



気が付くと、久香と翔さんがいい雰囲気になってて。


しばらくすると、久香が彼と別れ、翔さんと付き合いだして。








私といえば、その間も彼の暴力は続いてた。

できるだけ、彼の気分を損なわないようにしてたから、少しはマシだったかな。


でも、すぐに電話に出れなかったり、彼が会いたいという時に用事があって会えなかったりすると、次に会った時には必ずといっていい程殴られた。


必死に謝まる彼を、結局許してしまう…。



暴力の後のセックスは、相変わらず優しかった。




2人からは、別れた方がいいと言われたけど、必死に謝る姿や優しく接してくれる時の彼を思うと、なかなか別れるという選択を選ぶことができず。

心のどこかで、彼の暴力が収まることを期待していたのかもしれない。


私の彼に対する気持ちは、愛なのか。
1人になりなくない寂しさなのか。


そんなことばかり考えてた。







一度、久香と翔さんが、彼と会って話をしてくれたことがある。


そのときの彼は、まるで別人のようで。


きちんとした挨拶、紳士的な態度、私を見つめる優しい眼差し。


「遥菜を愛しすぎて、暴力をふるってしまう。」


2人に暴力をふるう理由を聞かれ、彼はそう答えた。


「遥菜がそばにいないと、浮気してるんじゃないか、他の男と一緒にいるんじゃないか、と不安になって会った時に殴ったりしてしまう」

「自分でも酷いことをしているという自覚はある」




「すまない、遥菜」



目の前で土下座までした彼。




許す私……。










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