青のキセキ

「ありがとうございます。すごく嬉しいです」


時計の入った箱を胸に、課長にお礼を言う。


「気に入ってくれてよかった。美空の嬉しそうな顔が見れて、俺も嬉しいよ」


さりげなく、柔らかな笑みをこぼす課長が素敵すぎて。




「さ、明日も早いし、そろそろ帰るか」


「はい」




割り勘で...と言うのに、課長が自分で払うと譲らなくて、結局いつもご馳走になってばかり。



「課長、たまには私にも払わせてください」


タクシーを拾うために大通りまで歩いているときに課長に言ってみた。


「お前に払わせるつもりはない」


「でも...」


「....あー、お前だけに言っておくけど...」


前髪を後ろに掻き上げて課長が言ったこと。

それは......。



< 291 / 724 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop