青のキセキ


気を失い、静かに眠る美空を眺める。



こいつのことになると、歯止めが効かない。




カーテンの隙間が、暗闇から少しずつ明るみを含んでくる。




――――夜明け。




美空と初めて明かす夜。



愛しい。



目の前で眠る美空が心底愛しい。



美空のサラサラな髪を一掴み。毛先にキスをする。




朝日で部屋の中が明るくなってきた。



美空の肩が動く。


起きた?



体は大丈夫なのか?



意識を失わせるほど、夢中で抱いた自分に少し後悔する。



ごめんなさいと謝る美空。


何故謝る?



意識を失わせたのは俺だ。



それに、それだけ俺を感じてくれたということだろう?


手加減すべきだったと思う。だが、美空を感じさせてやれたことに、少なからず満足感を覚えていた。




抱きしめた美空の身体の柔らかさに胸が熱くなる。

このまま抱きしめていたい。



また美空を求めそうになる。



さすがに、これ以上はマズイ。


美空を壊してしまう...。




ふと、美空の肩の傷跡?が気になった。


白い透きとおるような肌に一部

小さな円状の跡。



火傷?肩を?

こんな小さい火傷って...。




「!!」


まさか...。



想像通り、元彼にタバコを押し付けられた跡。



その他にもあると言うので、確認した。



美空の言うとおり、背中や脚にもいくつか同じような跡があった。


少し盛り上がったように変色している。すごく目立つわけではないが、女なのにこんな跡が残るなんて、美空も辛いだろう。


消してやりたい。


辛かった過去のこと、全て。



そんな思いを込めて、火傷の跡、一つ一つにキスをする。



それにしても、その男。医者のくせに何てことをしやがる。


顔すら知らない相手に対し、殺意すら覚える。




「大丈夫です。課長が居てくれるから...」


と言った美空。




ああ。許されるのならば、ずっとそばにいるさ。



愛している。こんなにもお前を。



美空の潤んだ瞳を見つめているだけで、ヤバい。



耐え切れず、美空の唇に自分の唇を重ねた。


美空を味わうかのように、深くキスをする。





このまま美空を抱きたい衝動に駆られる。


ていうか、俺、どんだけ盛ってんだよ。


我慢、我慢。


美空も体を休めたいだろうし、風呂だって入りたいだろうしな。


俺もシャワー浴びたいし、一旦部屋に戻るとするか。




朝食を一緒にとることにして、俺は自分の部屋へ戻った。






部屋へ戻った後も、昨夜から今朝にかけて抱いた美空の身体の感触が忘れられなかった。


耳に残る、あいつの甘い吐息に声。




全てが俺を狂わせる。





シャワーを浴びながら、美空のことを想う。






彼女の余韻に浸りながら――――。





























































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