青のキセキ


翌月曜日から、それまでと何ら変わりない日々。


企画部へのお土産も好評で、かなり喜んでもらえた。



佐山さんや春山さんたちには、課長と二人での出張ということもあって、冗談でからかわれたりしたけれど。



「美空ちゃん、課長と出張どうだった?」


「どうって...。別に普通ですよ?」


「何もなかったの?」


「何かって、なんですか?」


「俺が美空ちゃんと行きたかったな~」

と、石川さんが呟いたことは、聞かなかったことにした方がいいかも...。



「ご飯は一緒に食べましたけど、それだけです。ていうか、何を期待してるんですか!」


「だって、あんな素敵な男性と二人で旅行なんて、ねぇ」


「そうよ。私なら、酔ったふりして迫っちゃう♪」


「旅行じゃなくて、出張です!」

なんて、きゃあ、きゃあ言いながら、佐山さんと春山さんにからかわれていると。



「何、騒いでるんだ?」


後ろから、書類でポンと頭を叩かれる。




「え?あ...課長!」


後ろを振り向くと、そこに居たのは外回りから帰ってきた課長で。




「お前らの声、廊下まで丸聞こえだぞ」



「あら。すみません」


「佐山、春山。あまり美空をからかうなよ」


とても優しく微笑みながら言うもんだから、佐山さんも春山さんも課長に見惚れちゃってる。



「課長、本当に素敵。奥さん、綾さんだっけ。羨ましいね」


佐山さんが言った。












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