青のキセキ
朝食後、ホテルを出て九州支社へ向かう。
昨日の続きの会議に出席し、とりあえず午前中で今回の会議は終了。
あとは帰るだけだ。
まぁ、多分、近いうちに再度こっちに来ることになるとは思う。
こっちに企画部が出来るまで、まだまだ話し合わなければいけないことがあるからだ。
部長の許可さえ得られれば、また美空と来たい...そう思った俺。
「公私混同も甚だしいな」
美空に聞こえないように呟く。
これから帰る時間まで、まだしばらくある。
まずは、昼飯でも食べるとして。
さて、それからどうするか...。
美空に相談しようと声をかけたが、一点をみつめたまま俺の声に気づく気配がない。
どうしたんだ?
何度か美空の名を呼ぶ。少しずつ声を大きくしながら。
一体、どうしたのか?疲れたのだろうか...。
出張が終わるのが寂しいという美空。
美空の一言で、こんなにも胸が熱くなる。
抱きしめたくなる。
そんな可愛いこと言うなって。
このままじっとしていれば、きっと抱きしめてしまう。
そう思った俺は、美空の手を引っ張り、歩き出した。
でも、美空の気持ちが嬉しかった。
俺も同じ気持ちだから。