青のキセキ
目を覚ますと、白い天井が見え、そして私の横には課長の姿があった。


「美空!大丈夫か?」


心配そうに私を見る課長の横には石川さんもいた。


「美空ちゃん、大丈夫?病院行く?」


あたふたとして慌てふためく石川さん。




「私...どうした...」


何が起きたのか、分からない。




「倒れたんだ、俺の目の前で」



課長が言う。



課長の目の前で倒れた?















記憶を呼び起こす。







コーヒーカップを片付けて、帰ろうとして…。


そうしたら、目の前が真っ暗になって、体が傾いていくのを感じた。

そこまでは覚えてる。


そっか..。私、気を失ったんだ。




「具合はどうだ?まだ気分悪いか?」


心配そうに私を見つめる課長。




「大丈夫です。ご心配をおかけしてすみません」


笑顔に努めながら言う私。



「本当に?美空ちゃん、顔色悪いよ。病院行った方がいいんじゃない?」


石川さんが、おろおろとしながら聞いてくれる。


綾さんの手前、課長はおくびにも出さないけれど、きっと気にしている。

私が辛い思いをしているということに気付いている筈だから。



これ以上、心配させちゃいけない。




「大丈夫です。昨夜、遅くまでDVD見てて...。ただの睡眠不足ですから。だから心配しないでください。本当に大丈夫ですから。心配をおかけしてすみませんでした」



そう言って、身体を起こし、二人に頭を下げた。







――――その時。








「あら、気が付いたのね。よかった」






ドアが開き、綾さんが入ってきた。











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