青のキセキ

――――夕方。


翔ちゃんの携帯に海堂さんから電話があった。


険しくなる翔ちゃんの表情。嫌な予感。








「大和にバレた」

電話が済むなり、翔ちゃんが言った。


「バレたって...何が...っ!もしかして...」


「あの医者のこと...。仕事で会っちまったようだ。今から、ここに来るって」


「そう...。遥菜、さっき眠ったとこだけど...目覚ますかな...?」


こんな不安定な状態で海堂さんに会ったら、遥菜は...。


「...しばらくは眠ってると思うよ。薬飲んでるし」


深い溜め息とともに翔ちゃんが言う。



「大和、尋常じゃねえくらい大声出してた」


そう言って、改めて溜め息を吐く。



「遥菜のことが心配なんだよ」



「遥菜ちゃんのことになると、あいつ人が変わったみたいになる。愛だねぇ」

















そして、30分も経たないうちに海堂さんが肩で息をしながら病院にやって来た。















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