青のキセキ
綴られた想い【久香side】




結局、あれから私の所にも海堂さんの所にも遥菜からの連絡は無かった。


遥菜がいなくなった翌日の月曜日、海堂さん、翔ちゃんと共に旅行会社に行ってみた。


そこで分かった事実。


それは、遥菜は帰りの飛行機のチケットを取ってなかったこと。



「御自分は別の日に帰るからとおっしゃられて、お連れ様の分だけ手配されました」

と、旅行会社の受付の女性は言った。












「あの時、美空は後の便で帰ると言っていた。別の日に帰るだなんて言ってなかった。どうして...最初から帰るつもりはなかったということなのか...。美空は今どこにいるんだ...」



遥菜のことが心配で心落ち着く時がない中、一花の笑顔が私と翔ちゃんの救いだった。

翔ちゃんと私には一花がいる。

だけど、海堂さんは......。

遥菜の生死も分からないせいで、不安な気持ちに押し潰されそうな海堂さんをみるのが辛い。


私達に出来るのは、遥菜の無事を祈ることだけだった。



最悪の場合を考えて現地の警察にも聞いてみたけれど、遥菜に繋がる手がかりは何一つ無く、もうどうしようもなかった。





< 649 / 724 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop