青のキセキ
海沿いの道を、碧と手を繋ぎながらゆっくりと歩く。

水面に反射してキラキラと輝く太陽の光。





元気いっぱいの碧の笑顔が、私を幸せにしてくれる。


我が子とは、こんなにも愛しいものなのか。

そして、自分と血の繋がった家族がいるだけで、こんなにも強くなれるんだということを痛感する。


私と課長の子供。課長に愛された証。






この3年、課長のことを考えない日はなかった。今でも課長のことを考えるだけで胸が痛くなる。


けれど、碧がいてくれるから毎日頑張れる。

碧の存在が私の支え。

課長そっくりな碧が私の生き甲斐。


だから、頑張るしかない。

碧の笑顔を守りたいから。

そう...家族がいるから。







碧をお迎えに行ったついでにスーパーで買い物をして、帰ってきてから夕飯の支度をしてお風呂に入って...と、毎日がバタバタしているけれど、碧の笑顔を見れば、疲れなんて吹っ飛んじゃう。



始めの頃は、ホテルの敷地内にある薫さん達の居住スペースに一部屋を借りて生活していたんたけど、最近、ホテルの近くに部屋を借りた。

2DKの小さなマンションだけど、碧と二人暮らしだから不自由は感じない。

薫さんはいつまでもホテルに居ていいと言ってくれた。葵さんにいたっては、娘の晶ちゃんが碧と離れるのを嫌がって大泣きして大変だから、お願いだからこのままホテルにいてほしいと懇願された。


だけど、いつまでも二人の好意に甘えていられない。そう思って、部屋を借りることを決めた。


ホテルのお給料と栄養指導教室の講師料とで、碧との生活は十分やっていける。


何より、家族が出来た喜びが大きくて。



碧がいることが...私の幸せ。














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