青のキセキ


「遥菜ちゃん、よかったの?」



翔さんが帰った後、葵さんが心配そうに尋ねてきた。


これでよかったのだと、自分に言い聞かせるように葵さんに返事をした。








「今日は疲れたでしょう。家でゆっくり休んだら?」


仕事に戻ろうとした私に葵さんがそう言ってくれたので、疲れたわけではなかったけれど仕事に集中できそうになかった私は、素直にその言葉に甘えることにした。






気分転換も兼ねて、碧と公園にでも行こうか、それともバスに乗って隣町の水族館にでも連れていってあげようか。


そんなことを考えながら、保育所までの道のりを歩く。




もう、これで本当に終わり。

課長とは二度と会うことはない。


翔さんが何をしたかったのか、結局分からないままだけど、もう...。



青空の下、私は翔さんとの再会に胸が詰まるような思いを感じながらも、その思いを吹っ切るように頬をパチパチと叩いた。




さあ、碧を早く迎えに行かなきゃ。





口角を半ば強引に引き上げて、私は一歩踏み出した。




空は...どこまでも澄んだ青が続いていた。





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