青のキセキ
「す、すみません」
と、謝りながら相手を見る。


身長は180cmぐらいだろうか、高級そうな黒のスーツに、品のいいネクタイ。黒髪をワックスでオールバックに流した、かなりの二枚目。


ほのかに香る、大人の匂い...。





「....................。」





無言のまま切れ長の目で睨まれ、私はもう一度
「すみません」
と、謝った。



ふと見ると、スーツの右肩の辺りが白っぽくなっている。

どうやら、ぶつかったときにファンデーションが付いてしまったらしい。

スーツが黒なので、かなり目立つ。



慌ててバッグからハンカチを取り出し、拭こうとした私の手を払いのけ、その男性は無言のままチャペルの方へ歩いていった...。


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