恋の献血センター
献血センター?
「献血お願いしま~す!」

 駅前などでよく見かける風景に、朱美は立ち止まった。

 今日はこれから帰るだけ。
 折角だし、寄っていこう。

 勝手知ったるビルのほうへ、朱美は颯爽と歩いていった。

 朱美は献血好きである。
 マニアと言ってもいい。

 町で献血車を見かけると、立ち寄らずにはいられない。
 献血センターだって常連だ。

 何故なら。

---私の血液、珍しいから、どんどん献血しなきゃね---
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