好きなんて、君を想うほど


あの日、その言葉にソウちゃんはゆっくり視線を落としながら



『でも、同じクラスになったから。・・・最近は、ちょくちょくメールしてるよ、』



そんなことが、知りたかったんじゃない。

そんなことを、聞きたかったんじゃないのに。



全身の力が、ゆっくりと抜けていくような気がした。

足元がふらついて、

視界もゆらりゆれて、




私は精一杯の作り笑いを浮かべながら




『今日、ちょっと体調悪いみたい・・・帰る、ね』




そう言って、走り出したんだ。




私の涙は、きっと彼には見られていない。





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