好きなんて、君を想うほど


ねぇ、リョウスケ。


例えば、私が


あの日ソウちゃんを好きにならなくて

あの時吹奏楽部に入らなくて

あの場所でソウちゃんに出会わなかったら



きっと、こんな想いしてなかった。



きっと、リョウスケのこと好きだった。



楽しくデートして、「スキ」って言い合って、手をつないで、笑い合って。



でも、それでも。



あの日、あの時、あの場所で


私はソウちゃんに出会って、恋をしてしまった。




「好きだ」って感情を、知りました。




でも、何も得なかったわけじゃない。

リョウスケは、私にたくさんのものを与えてくれた。


答えをくれたのは、いつだって君だった。





そして、君がくれたのは抱えきれないほど大きな愛だったんだよ。








< 277 / 305 >

この作品をシェア

pagetop