シンデレラに玻璃の星冠をⅢ
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両足をペダルから離しても、自転車は動く。

どこかを切り換えれば備え付けのモーターで動く、ちゃんとした電動自転車になっていたらしい。


「うわ~、知らなかったね~。桜ちゃん」

「…………はい」


すごく間を置いて、桜ちゃんが頷いた。


「いや~ラクチンラクチン。極楽極楽!!」


自転車のフレームに足を乗せて、由香ちゃんはご満悦だ。


「いいなあ…あたしも運転してみなかったな~」


あたしはただ"隣"の"後ろ"から、彼女を見つめる。


「ほらほら君はこっちなんか気にしないで、師匠の体にぐいっと、そうもっとほら、ぐいぐいっと!! むふふふふ~」


"大野香織"が帰った後、由香ちゃんが組み合わせでうんうん唸っている間、自転車を観察した玲くんが、ふと言ったんだ。


――これ、アシストタイプじゃなく、完全なフル電動自転車じゃないか? うん、ここはモーターだろうし。ここはバッテリーの充電が判るみたいだし。

――違い? フル電動自転車は…ヘルメットと、免許が必要なんだ。原付二輪。


つまりは、バイクとこの自転車を運転する為には、免許が必要で…どちらの免許も持っているのは玲くんだけで、しかもヘルメットは2つしかない状況。


――あるある、ボクその免許!! よし、じゃあボクは葉山を後ろに乗せる!! 何かに追っかけられても安心だし!!


なんと、アニオタ由香ちゃんは免許があったらしい。


ということで、玲くんが運転するバイクの後ろにあたしが、由香ちゃんが運転する電動自転車の後ろには桜ちゃんが乗ることになった。


――ナイスだね、師匠。これフル電動じゃないんだろ?

――ふふふ、さすがだね。君だって免許ないんだろ?

――当然さ!! ボクはチャリも乗れないんだ!! これなら何とかいけそうさ!!


…そんな師弟の会話があったとは露知らず。


"安全第一"ヘルメットは、あたしと由香ちゃんが被り、2台並んで、九段下の施設まで走行することに。

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