シンデレラに玻璃の星冠をⅢ
「がはははははは!!!!」


そしてこのクマ!!!

このクマには正直俺も驚いた。



「げげげ!!! 誰だよ、このクマ!!!」



事情を知らねえ小猿が俺の背中に隠れた。

俺のデカい体は壁かよ。


「誰って…お前達知っての通りの、あのクマじゃねえか!!!」


「なんでクマがこんな"わさわさ"なんだよ!!!」


「小猿くん、"だから"クマなんだよ。しかし…すごいよな…。動物系イケメンの毛は、特殊仕様なのか」


ちらっ。


「遠坂…何で俺見るよ?」


「ワンコの毛は、特殊仕様かい?」


ちらっ。


「俺の毛? 俺の毛は天然オレンジだ!!! 文句あるのかよ!!!」


「ほうほう、ワンワンはんひんむいたら、あっちからこっちまで天然オレンジ…」

「むふふふふふ。そうか、こっちも天然オレンジか」


ちらっ。



「何変態染みて笑うんだよ、俺の毛は頭にあるだろ、何"下"見るんだよ!!!」


「ワンコは上でも下でも別にいいよ…。だけど本当にクマか…?」


小猿は、同じゲームをして、目を充血させて頑張ったクマに親近感を覚えていたらしい。

クマと猿は意外と仲良しなのか?


「がははははは!!!

朝になれば毛が伸びる。

これは人間としての自然現象だ!!!」


そう豪語するクマにとって、"自然現象"らしい。


とにかく――

驚きものだったんだ。


CGのように…時間が経つにつれ、ふさふさかつわさわさと、もさもさと黒々密集始めたクマの体毛。


流石の櫂も絶句していた。


「"わさわさ"だからクマなのか!!!」


「それ以外に何だと思ってたんだ、俺のこと。がははははは!!!」


「なあ…」


まだ警戒しているかのように、俺の背中に尚も隠れながら、小猿が首を傾げ、



「お前…

何処かで会ったことないか?」


そんなことを言い出した。



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