シンデレラに玻璃の星冠をⅢ



ひくっ。


俺と煌は、同時に反応した。

最後の胡散臭い笑いは…なんだ?



「アオッッッ!!!!」



そう叫んだのは――



紙のオニのお面を被った…

赤い外套姿の女性。


お面など意味がない。



あれは――




「緋狭姉!!!? やっぱ!!!? やっぱ!!!?

オニって言ったら、やっぱ緋狭姉!!!?

それしかねえよな!!!」




煌の不安的中。


「煌、緋狭さんは此処にはいない。

見ろ。あの緋狭さんは…両手がある。偽者だ」


「櫂…お前甘いよ…」


煌の顔色は蒼白で。


「1本腕でも凄い緋狭姉の…例え模造品(レプリカ)であろうが、2本腕になったらどうなるよ!!?」


確かに――。




「やばい!!! 煌…もうランダムの色が確定している!!! 青い石を踏め!!! 翠、翠…動け!!!」


「……。…・・へ? ……え!!!? ああああ!!!?」


しかし…翠の動きが一瞬遅く。


翠の足は、黄色の石畳を踏んでいて。



ピーッッッ。


ホイッスルが鳴った。



「オニが攻撃する」


そんな緋狭さんそっくりの声と共に――



「金翅鳥(ガルーダ)!!!」



空が暗くなったと思えば、空に瞬く炎の鳥。



「はあああああ!!!? 初っ端からそれ!!!?

攻撃レベル最低のはずだろ!!!?」




クアアアアアア!!!!



金翅鳥(ガルーダ)が、盛大に炎を撒き散らした。



◇◇◇

《UnderWorld 002》

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