いじめのその先
 
私はゆきのことや、半年前のことなど彼女に話した。
咲枝ちゃんは私の話を真剣に聞いてくれてるように見えた。
私から視線を反らして海の方を向いていても。

「ーだから、私の勝手な都合になっちゃうんだけど、これ以上辛いところ見たくないの。犠牲者を出したくない。お願い咲枝ちゃん。もうこれ以上辛い思いしないで?もうたくさん苦しんだよ!」 
 
駄々をこねる子供みたいに、懸命に訴えた。
終始黙って聞いていた咲枝ちゃんは震えながら座り込むようにしゃがんだ。

「皆の言いたいことは分かったよ。でも仕方ないの。お兄ちゃんの心や感情を壊しちゃったのは私達なんだから。」  

「咲枝ちゃん、私じゃ役には立たないかもしれない。でも話してくれない?一人だと無理でも皆で考えれば良くなるかもしれない。」

「三人寄れば文殊の知恵って言うしな。皆でやれば恐くないぜ?」

「私がなかなか友達が出来ない時に声をかけてくれて、本当に嬉しかったの。だから今度は私が助けたいの。」

「咲枝に言ったこと覚えてる?どんな咲枝でも大好きな気持ちは変わらない。大好きな人だから助けたいんだ。」

皆がそれぞれ言葉をかけていた。
その言葉を聞いてなのか、泣きじゃくるように涙を流した。  
少し落ち着きを戻した、咲枝ちゃんは涙声になりながら少しずつ話してくれた。
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