いじめのその先

「いやー早いもんだな。。俺達が卒業なんて。」

そう呟いたのは怜だ。

「あっという間だったなー!でもまぁ、受験も乗りきったしあとは入学まで遊ぶだけ‼」

「結局遊びにたどり着くんだね。」

続けて智一とそれに対して幸恵がつっこんだ。
あの事件から二年弱、そしてここの学校でのことから一年半ぐらい、私は初めは躊躇っていた呼び名も定着していた。今ではこの皆とクラスで遊ぶのが大好きだ。

「そういえば空也と咲枝は?」

二人が居ないことに気がついた星也が聞いてきた。

「あー咲枝が教室に忘れ物しちゃったって言ってて、空也も咲枝の後を追いかけてたよ。」

「言ってくれれば一緒に行ったのに。。」

弟大好きな(笑)星也がちょっと口を尖らせながら、呟いている。
まぁ、心配なだけなのかもしれないけど。
空也も今では元気だけど、たまに体調悪くなったりしていた。
ふとそんなことを思いながら、私も最後にあの場所へ向かった。
校庭から校舎へと向かう私へ向かって沙羅が声をかけた。

「千南ーどうしたの?」

「私も少し忘れ物ー!」

そう言い、教室とは違う場所へ駆けていった。


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