サマーバレンタイン【短編】
4.さよならチョコレート
独りよがりで何の根拠もないけど、強く想い続けていれば、いつか必ず気持ちは届くと心のどこかで信じていた。


だけど山本くんを想い続けた3年の間に、そんな奇跡は一度も起こらなかった。

悲しいけどそれが現実。


3年間で山本くんと交わした言葉の数よりも、1学期の3ヶ月間だけで田中くんと交わした言葉の数の方が遥かに多い。

なのに私は田中くんの気持ちに全く気づかなかった。


行動に移さなきゃ始まらないし、言葉にしなくちゃ伝わらない。


私はどうしてそんな大切なことに気がつかなかったんだろう。
< 20 / 33 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop