カプチーノ·カシス
だから、さっさと課長にはナミを振って欲しいと思っていた。
そうすれば、あいつは俺にすがる。
だが、それを待って、大人しくしていたのが裏目に出たのかもしれない。
まさか、課長があそこまでわかりやすく揺れるとは……
「課長も、愛海ちゃんのこと好きなのかなぁ……」
大阪組の二人を欠いても仕事は順調に終わり、あとは業務日報を書くだけ。
石原はそれをほんの数行書いてからデスクにペンを放り投げると、本日何十回目かのため息をついた。
「……なんで」
「だって最近の課長、なんか浮ついてましたよね?」
石原の言葉に、俺のペンの動きも止まる。
そうなんだよ……な。
ナミが“告白しちゃった”と電話してきた翌日なんか特にそうだった。
課長は押しに弱そうだからとナミをけしかけたのは自分なのに、こんなにも二人のことが気になってしまう自分に、少し苛立つ。