tender dragon Ⅰ
「大丈夫。もしバレても、絶対に守るから。」
あたしの不安そうな顔を見て、希龍くんはやっと笑ってくれた。
いつもみたいに優しく頭を撫でる。
初めて会ったときと変わらない。
それはもちろん、キスをしたあとも。
希龍くんの態度はちっとも変わらなかった。
よく考えれば、おかしい話だ。
あれは何だったんだろう、とたまに考えるけど、希龍くんの考えなんてあたしに分かるわけない。
…多分この先ずっと。
「行くよ。」
「…うん」