ゆびきり
 次の日。
 あたし達は、中庭に来ていた。
 莉実に、話をするために。

「りっくん、どうかした?」
 ゲッ、ぶりっ子モード。
「あれ、愛羅ちゃんも一緒にどうしたの?」
 あたしは、どうも莉実に嫌われているらしい。
 陸斗は、莉実の事嫌ってるし。

「あのさ、松尾。お前が、みんなに俺たちが付き合っているって、言いふらしてただろ。」
 莉実の顔から、笑顔と自信が消えた。
「俺がどんなに否定しても、ずっと言ってきただろ!」
 陸斗の口調が、強くなってきた。

「俺だけだったら、こんなに怒るわけがないだろう。愛羅を巻き込んでいったんだ!いい加減にしてくれないか!」
 陸斗の言葉が、胸にしみた。
「うふふふふ、あはははははは……」
 陸斗の言葉が終わった瞬間、莉実が笑い出した。
 
  

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