【完】愛の血−超勝手な吸血鬼
「なにカッコつけてんのよ。早く保健室行こ! あたし着いてくし」
そう椎名冬夜の腕を掴もうとしたら、ドンッとつき返されてしまった。
はぁ?
その場に尻餅をついた、あたしはベンチに横になる椎名冬夜を睨み付ける。
「人が親切で言ってあげてんのに……」
何なの一体。
こっちは心配して言ってあげてんのに!
「力使いすぎて血不足なだけだって。
つか、こんな時に簡単に近づいてんじゃねーよ。
これ以上、近づくんなら無理矢理、襲うぞ」
その言葉と、あたしを見る目のあまりの冷たさに、尻餅をついたまま、何も言えなくなってしまった。
そのままフラつくように立ち上がると、椎名冬夜はどこかへ行ってしまったんだ。