【完】愛の血−超勝手な吸血鬼


「……今のなに?」



暫く沈黙が続いた後、低い声が聞こえた。


きた。

けど、あたしは何にも言えなくて。



「お前、何かあったの?」



え?

もしかして噂のこと……知らない?


顔をあげて椎名冬夜を見ると、眉間に皺を寄せながら首を傾げている。


あー、知らないんだ。

まだ椎名冬夜には回ってないんだ。



そう思うと、なぜだかホッとしたあたしが居た。



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