【完】愛の血−超勝手な吸血鬼


「待てって」



グッと掴まれた左腕。


そこからカーッと体が熱くなっていくのを感じる。



「お前、俺のこと避けすぎだって」

「そ、そんなこと……」



ない。なんて言えない。

明らかに避けてるのは自分でもわかってる。



「どうしたらいいわけ?」

「どうしたらって……」



そんなこと言われても困る。

どうしたらいいのかなんて、あたしが知りたい。



「避けられんのって気分わりぃんだけど」

「……ごめん」



つい謝ってしまった。

これじゃあ、避けてました! って言ってるのと同じじゃない。



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