風に恋して
――それからすぐに、リアはレオに抱きついたまま眠ってしまった。レオがそっと腕を解いてベッドに横たえると、安心しきった顔をしている。

呼吸が少し熱っぽいけれど、さほど苦しくはないようだ。

冷たいリアの唇に自分のそれで触れた後……リアは1つ心の葛藤を捨てたように思えた。

(都合良すぎ、か?)

いや、たった今もリアからレオに触れてくれた。体調が悪くて心細いだけなのかもしれない。けれど少なくともレオの腕の中は安心して眠れる場所だと、思ってくれている。

そうでなければ、こんな風に無防備に身を任せてはくれないだろう。

始めからでも構わない。このまま、もう一度リアと心を通わせることができるのなら――

「おやすみ」

レオはリアの額にキスを落として部屋を出た。
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