風に恋して
リアは必死にレオの肩を押すが、レオの身体はビクともしない。そんなリアの細い手は、レオに頭上でひとつにまとめられてしまった。

心で抵抗しながらも、レオの熱い唇を受け入れるリアの身体。呼吸が苦しくなってくぐもった声が漏れる頃、レオはようやく唇を離した。

なおも身体を捩ってレオから逃れようとするリア。レオは少しだけその表情を歪めたが、スッとリアの髪の毛をまとめているリボンを解いた。

「少しだけ我慢しろ」

そう言って、レオがリボンでリアの手をまとめて縛る。

「や、やだっ」

両手の自由を奪われて、リアは身体を震わせた。動けば動くほど、リボンが両手に絡まっていくように感じられる。

もう一度、レオの唇がリアのそれに重なり、身体の曲線をゆっくりとなぞる熱い掌がリアを翻弄していく。

熱くてボーっとする。リアは潤んだ視点の定まらない瞳でレオが身に纏っている上質な服をためらいなく床に捨てていくのを見つめていた。そして、レオの鍛えられた上半身が露わになる。

「リア」
「や、やめて……いや、です……」

レオに名前を呼ばれ、リアは小さく首を横に振る。

零れ落ちた涙を唇で掬ってくれたレオに、また頭の隅が疼く。それと共に、触れられる肌がゾクリと震える。

「ごめん、な……」
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