君と恋色*tear rain

学校の周りを塀に沿って歩いていると、角を曲がったところで校門に辿り着いた。



門の横に書いてある学校名をしっかり確認する。


……ここで間違いない。




なるほど、お母さんの言っていた通り、家から歩いてわずか20分程の距離だった。



この学校は家から一番近いのだが、ここら辺では有名な進学校らしい。


設備も充実していて校則も緩いため、人気の高校だと聞いていた。




そんな学校なのだが私は充分に成績が足りていた為、こんな夏休みが明けて2週間という、何とも微妙な時期にも関わらず転校してくる事が出来たのだ。





私は一つの希望を胸に抱きながら、学校の敷地に足を踏み入れた。




一ヶ月前に、この街に越すことになったと聞かされてから密かに抱いていた希望、――期待。




春人に会えるかもしれない、と。

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