蒼恋物語 【教師×生徒の恋バナ第一弾】

蒼サイド 1

午前中から夕方にかけては、休憩を取りながらも、部員に稽古をつける。


僕が教員になってすぐ剣道部の顧問を任されたのだが、その時よりは強くなったとは思う。


何せ、一回戦敗退は当たり前だったからな…。





夕食後、遊べると思ったら大間違い。


入浴を済ませたら、勉強させることにしている。


どうせこいつらのことだ、夏休み終了間近に徹夜して宿題を片付けるに決まっている。


なので、合宿には宿題持参を必須にしている。



優しいだろう?


だが、生徒にはその優しさが分かってもらえないようだ。


勉強には、梨香もきちんと参加させる。



僕が数学科の教員だからか、数学を持ってくる生徒が大半を占める。


分からないところがあれば、聞いてもいいと言っているせいもあるかな?


「先生、コレも教えて。」


「お前な…少しは自分で考えろ、却下。」


生徒によっては、何でも聞きに来るのもいたりする。




そういえば、梨香はまだ1問も聞きにきていないな…。


みんなの様子を見回るフリをして梨香に近づくと、彼女は他科目の宿題をしていた。


梨香のことだ、すぐに聞きたくなるから敢えて数学を持ってこなかったのだと思う。



エライ!


…って言うべきなんだろうけど、一度くらいワンツーマンで勉強みてあげたかったんだよな。


お風呂上りの、いい匂いも嗅げるし…。


ちょっと、残念…。





   
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