悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 3~
4.すれ違う心
カーテンの隙間から朝陽が忍び込む。
灯里は濡れたシーツに顔を伏せ、窓際をじっと見つめていた。
体に力が入らない。
……昨日。
灯里がどれだけ懇願しても、玲士が灯里の言うことを聞いてくれることはなかった。
玲士の怒りを全身で感じ、灯里は自分の心が凍るような気がした。
――――玲士が自分に対し、ここまで怒ったことはない。
玲士は既にベッドを出、身支度をしている。
黒いスーツにネクタイを締めたその姿はいつ見ても目を奪われてしまう。
「……起きたの、灯里?」
「……」
「夜には戻るから、それまでここでこうしてなよ? ……ま、それじゃ歩くこともできないだろうけどね?」
「……玲……士……」
「食べ物と飲み物はここに置いておくよ。……鍵は持っていくから。おれが戻るまでここから出ないこと。いいね?」