悪魔のようなアナタ ～with.Reiji 3～

Mini Story ～リーサルウェポン2

[Mini Story ～リーサルウェポン2　新婚旅行編～]


※新婚旅行の話となります。コメディです。

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<side.灯里>



9月のとある土曜日の昼過ぎ。

灯里はリビングで、スーツケースを前に格闘していた。

明日から一週間ほど新婚旅行でタヒチに行くため、その準備を今日中にしなければならないのだ。

タオル、帽子、着替え、薬……。

灯里はリストアップした持ち物メモを見ながら一つずつスーツケースに詰め込んでいたが、あることに気付き、はっと顔を上げた。


「あ――――っ!!」


その声に、隣にいた玲士が驚いたように眉を上げる。


「……なに? 突然大声出して」

「あれを買い忘れてた! まず……っ」


灯里は突然立ち上がり、慌てた様子でバッグに財布を突っ込んだ。

そのままパタパタと玄関の方に駆けていく。


「あたし、ちょっと出かけてくるねっ」

「……え、どこ行くの、お前!?」


玲士が止めるのも聞かず、灯里はバン! と玄関のドアを開けて部屋を出て行く。

……いつになく素早いその行動。

玲士は唖然とした顔で閉じたドアを見つめていた。