悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 3~



玲士は驚いたように目を丸くした。

灯里がこくりと頷くと、玲士は肩をすくめて言った。


「日本の伝統行事だよ。夫婦になったら初詣の前の晩には必ずするのが常識だよ? ……本当に知らないの、お前?」


玲士の言葉に灯里は首を振った。

全く聞いたことがない。


「なにそれ? 儀式か何かなの?」

「そうだね、儀式の一種かな。これをすることで、今年一年夫婦仲良くしますってことを神に誓うことになるんだ」

「へ~……」


灯里はまじまじと玲士を見た。

――――そんな儀式が世の中にあったとは。

まだまだ世の中には自分の知らないことがあるらしい。

やはり玲士は物知りだ。



< 34 / 172 >

この作品をシェア

pagetop