悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 3~
3.悪魔と買い物
その週の土曜。
灯里は上野駅の入り口で玲士と待ち合わせをしていた。
玲士は午前中会社で用事があるらしく、昼にここで待ち合わせとなった。
玲士と落ち合ったあと二人で昼食を取り、その後足りていない生活用品や灯里の服を見に行く予定だ。
玲士はこの頃忙しく、土日もたまに留守にする。
あと二か月ほどでほとんどの会社が決算期を迎えるので、その事前準備で忙しいのかもしれない。
上野駅の入り口の近くには小規模なショッピングモールがあり、スイーツや女性向けの洋服、雑貨などの店が並んでいる。
灯里はショーウインドを遠目に眺めた。
――――やはり東京は、いろいろな物で溢れている。
新しいもの好きの灯里にとっては何処を見ても新鮮に思えるが、その一方で、行き交う人の多さや忙しなさに少し戸惑ったりもする。
灯里は腕時計をちらりと見た。
そろそろ玲士が来る時間だが……。
と思った、その時。