悪魔のようなアナタ ~with.Reiji 3~
2.独占欲 VS 独占欲
―――― 一時間後。
出された料理を一通り食べたところで、廊下の方からパタパタと足音がした。
「……あっ、おねえちゃん!」
甲高い声とともに翔太が応接室へと飛び込んできた。
相変わらず元気いっぱいだ。
灯里は慌てて口元に笑みを浮かべた。
前に会ったときは、理代と玲士のことを知らなかったので翔太を純粋に可愛いなと思ったのだが……。
二人の過去を知ってしまった今は、翔太が理代の息子だと思うと無意識のうちにどこか構えてしまう。
けれど3歳の翔太にそんな灯里の複雑な心境がわかるはずもなく……。
翔太は一直線に灯里に駆け寄り、ぎゅっと抱き着いた。
「ぼくね、ずっと待ってたんだよ、あかりおねえちゃん!!」
「……熱烈な歓迎だね。しかもいつのまにか名前覚えてるし」