続・たとえどんなに辛いサヨナラが待っていたとしても
誰にも相手にされず、がっくりと肩を落として落ち込む末っ子がかわいそうになったので、慰めの言葉をかけたが。


「彼女がいなくて寂しいのは分かるけど、妄想はほどほどにしような。
ありもしないことを言いふらされたら、サキがかわいそうだろ」


俺の言葉で再起不能になってしまったので、固まってしまったペーターを絨毯の上に転がしておいた。


しかし、一息つく間もなく。
次の酔っぱらいの襲撃にあった。


「お酒飲まないんですか?
まだ一杯目?」


「だから俺は酒弱いって言ってんだろ!
何回も言わせるなよ!」


ペーターと同じことを言うカスミにイライラして、つい声を荒げてしまう。


「まだ今日は一回しか言ってないのに、怒鳴らなくてもいいじゃないですか!」


「ペーターにも同じこと言われたんだよ!何なんだよ、本当に!
ソンミンじゃなくて、ペーターと付き合えば良かったんじゃないか」


「そんなことない......!」


ほんの冗談のつもりで言ったのに、目に涙をいっぱい貯めて、わんわん泣き始める。

そういえば、酒飲むとどうでもいいことでも泣くんだったな。
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