続・たとえどんなに辛いサヨナラが待っていたとしても
こんな本を読んでいるより、台本を読まないとな。

セリフは一通り頭に叩きこんであるが、最終確認を...。





「シューイン、そろそろスタジオに入って。」


台本を眺めていると、女優のメイク直しが終わったから、と呼びにきたのは、うちの新しいマネージャーのアレックス。

徐々に香港での活動も増えてきたので、広東語ができるアレックスが雇われた。

俺とアレックス以外は、うちのメンバーは広東語がほとんどできないから、香港活動時は、彼が全面的にサポートしてくれている。

台湾活動時は...Miracleの活動にはサキがつくので、彼はほとんど俺の専属マネージャーだ。

他のメンバーも個人の仕事はあるが、俺ほどではない。

俺と同じ香港人で三つ年上のアレックスは、仕事ができるだけではなく、メンバーに負けず劣らずのイケメンで、なぜか彼のファンまでいる。

欠点があるとすれば、性格がまじめすぎることだ。

仕事の内容以外は口にすることがなく、彼のプライベートのことは何1つ知らない。

メンバーに馴染んでいるサキとは違って、本当にただのマネージャーと芸能人の仕事だけの関係だ。









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