小さなチョコの大きな恋物語
心違い

柚子は暖かい上着を着て、まだ肌寒い春の夜へ飛び出した。


それは昼休みが終わったあと…


『柚子…お願いがあるの。』


愛海がこそっと耳打ちをする。


「なあに?」


『さっきの男の子と連絡取れないかなあ。』


「え?しゃべってた子?」


『ううん、茶色いメッシュが入ってた男の子。』


「陸ちゃんのこと!?」


『あれれ~?愛海姫に恋の予感?』


すかさず芽衣が会話に入ってくる。

愛海の顔がさーっと赤くなっていった。


「陸ちゃんのメアドなら持ってるけど?」


『本当!?』


「うん。いいとは思うけど…今日の夜了解とってからメアド送るね。」


『ありがとう!!』


愛海は可愛らしい笑顔で笑った。

< 50 / 167 >

この作品をシェア

pagetop